1. 会社概要・基本情報
株式会社アシュランは、1993年に設立された福岡県大野城市に本社を置く化粧品・美容製品のネットワークビジネス企業です。代表取締役社長は東孝昭氏で、資本金5,000万円、従業員数467名(令和4年7月現在)の体制で運営されています。令和3年度の売上高は182億円を記録し、会員数は21万5千人を擁する業界有数の企業として成長を遂げています。
本社の他に関東支店(千葉県船橋市)と鳥栖工場(佐賀県)を展開し、国内外に事業基盤を拡大。「ASSURANCE(確信)」というフランス語に由来する社名が示すように、すべてに確信できる会社として会員の「豊かな実」を支える「丈夫な幹」を目指すという理念を掲げています。
2. 事業内容・ビジネスモデルの詳細説明
アシュランは特定商取引法に基づく連鎖販売(MLM)形式により、化粧品、医薬部外品、石鹸、洗剤類の企画開発・販売を主軸とする事業を展開しています。会員制システムを採用し、直接販売による商品流通を行っており、会員は商品の購入と同時に事業者としての活動も可能です。
製品の自社開発・製造にこだわり、化粧品製造販売業許可、医薬部外品製造販売業許可を取得した鳥栖工場では国内最大級の生産設備を保有。
さらに事業の多角化を図り、ホテル業(ホテル泉國邸、グランドエンパイアホテル)、レストラン業(アンテェナアト、ベーカリー&カフェ ルコネッサン)、全身美容施設(スパハウス テルマアル)など、美容・健康・癒しをテーマとした総合的なライフスタイル事業を展開しています。
3. 取扱商品・サービスのラインナップ
アシュランの主力商品は「自然と人の調和」を原点とした基礎化粧品シリーズです。代表的な商品として、マローマスク、マローウォッシュ、リメイクジェル、ラスターローション、モイスチャーシート、薬用リンクルジェル、薬用エモリエントローションなどを展開しています。
これらの製品は「肌本来の力を引き出す」というコンセプトのもと、自然派スキンケアとして開発されており、特に洗顔・保湿・美容液の基本的なスキンケアステップに対応した製品群を提供。化粧品以外にも石鹸・洗剤類、入浴剤(貴肌湯シリーズ)なども取り扱い、トータルな美容・健康商品ラインナップを構築しています。
製品は厳格な品質管理のもと自社工場で製造され、会員限定での販売となっており、一般販売やインターネット通販は行っていません。
4. 報酬プラン・システムの説明
アシュランの報酬プランは、シンプルで分かりやすいステアステップ方式を採用しています。会員は自己購入分と直接紹介したダウンライン(下位会員)の購入金額に応じて差額利益を得る仕組みです。基本的な報酬構造として、定価1個5,000円の商品を6個目の購入から4,000円で購入可能となり、その後のランクアップに応じて更なる価格優遇を受けられます。
最低報酬発生条件として、グループ全体で月間約42,000円の購入金額が必要で、最も低いSP(スペシャリスト)ランクの達成にはグループ購入金額の一定基準をクリアする必要があります。報酬は主に商品の差額利益から構成され、複雑な計算式を排除したシンプルな設計により、会員にとって理解しやすく透明性の高いシステムとなっています。
ランク昇格に伴い仕入れ価格の優遇幅が拡大し、継続的な活動と組織構築により安定収入の獲得が可能な構造です。
5. 会社の沿革・歴史
アシュランの歴史は1993年の商品企画・開発開始と株式会社ミキカンパニー設立に始まります。1994年にアシュランジョイクラブを発足し、1995年に株式会社アシュランとして正式設立されました。
2005年に化粧品製造販売業許可を取得し、翌年には医薬部外品製造業許可も取得。2007年には財団法人アシュラン国際奨学財団を設立し、社会貢献活動にも本格的に取り組み始めました。2008年からは海外展開を開始し、台灣亞朱蘭、タイアシュランを設立。
2010年代に入ると事業の多角化を積極的に推進し、スパハウス テルマアル、各種レストラン、ホテル事業への参入を果たしました。2013年には出水酒造の新工場操業開始、2020年にはアシュラン美術館開設と、文化・芸術分野への貢献も拡大。2020年には製造累計一億本を達成し、30年にわたる継続的な成長を実現しています。
6. 市場での位置づけ・業績
アシュランは日本のネットワークビジネス業界において上位ランクに位置する企業です。2024年のネットワークビジネス売上高ランキングでは182億円の売上を記録し、業界内でも安定した地位を確立しています。
2008年には売上高300億円を突破した実績もあり、長期にわたって安定した業績を維持。福岡県を拠点とする化粧品MLM企業としては最大規模を誇り、21万5千人の会員基盤を持つことで市場での影響力を保持しています。
同業他社と比較して製品力の高さと誠実な会員制度で知られ、創立から30年以上にわたる実績が市場からの信頼獲得に寄与。ただし、近年は一部で売上の減少傾向も指摘されており、新規事業への取り組みや海外展開による成長戦略の推進が注目されています。業界全体の成熟化が進む中、品質重視と多角化戦略により持続的な成長を目指しています。
7. 特徴や強み
アシュランの最大の特徴は、自社開発・自社製造による高品質な製品への徹底したこだわりです。国内最大級の自社生産設備を保有し、化粧品製造販売業許可・医薬部外品製造販売業許可を取得した鳥栖工場で厳格な品質管理を実施。
「自然と人の調和」を基本理念とし、肌本来の力を引き出す自然派スキンケア製品の開発に注力しています。報酬プランの透明性とシンプルさも大きな強みで、複雑な計算式を排除した分かりやすいステアステップ方式により会員の理解と信頼を獲得。
事業の多角化も特徴の一つで、化粧品事業をベースとしながらホテル・レストラン・スパ・美術館など多彩な事業展開により、総合的なライフスタイル企業としての地位を確立しています。また、公益財団法人アシュラン国際奨学財団を通じた社会貢献活動や、30年以上にわたる安定した経営実績により、業界内での信頼性と継続性を示している点も重要な強みです。
8. 会員・販売員の支援体制
アシュランでは会員の活動をサポートするための充実した教育・研修制度を整備しています。新規会員向けには商品知識、美容に関する専門知識、話し方や司会進行などのスキル向上を目的とした丁寧な研修プログラムを提供。
本社および関東支店には専用のセミナー棟を完備し、定期的な勉強会やセミナーを開催しています。アシュラン奨学生会館などの関連施設も会員の学習・交流の場として活用されており、全国各地での研修機会を提供。
また、会員専用のログインサイトを通じて商品情報、注文システム、活動支援ツールなどのオンラインサポートも充実。経験豊富な上位会員によるメンタリング制度や、成功事例の共有を通じた実践的な学習機会も整備されています。
託児所の設置など、会員のライフスタイルに配慮した環境づくりにも取り組み、継続的な活動をしやすい体制を構築しています。
9. 法令遵守への姿勢・コンプライアンス
アシュランは特定商取引法に基づく連鎖販売取引業者として、法令遵守を最重要課題として位置づけています。化粧品製造販売業許可、医薬部外品製造販売業許可を適切に取得・維持し、製品の安全性と品質確保に努めています。
会員への適切な製品説明、報酬システムの透明な開示、クーリングオフ制度の適用など、特定商取引法で定められた各種義務を厳格に遵守。誇大広告や不適切な勧誘行為の防止に向けた会員教育も継続的に実施し、健全なビジネス活動の推進を図っています。
また、公益財団法人アシュラン国際奨学財団の運営を通じて社会的責任を果たし、企業倫理の向上にも注力。30年以上にわたる継続的な事業運営実績は、法令遵守と健全経営の証左として評価されています。
業界団体への参加や行政機関との適切な関係構築を通じて、常に最新の法規制動向を把握し、コンプライアンス体制の継続的な改善に取り組んでいます。
10. 社会貢献活動・CSR
アシュランは「公益財団法人アシュラン国際奨学財団」を中核とした積極的な社会貢献活動を展開しています。「健康で豊かな明日のアジアを担う原動力になる」ことを願い、アジア各国からの留学生に奨学金を提供し、学業に専念できる環境づくりを支援。
さらに地域社会への貢献として、近隣の子どもたちへのお弁当配布(こども食堂活動)、TVQ九州放送での提供番組「未来の主役 地球の子どもたち」の放送(2001年から継続)など、多様な活動を実施。
PayPayドーム内にアシュランシートを設置し、身体の不自由な方や少年野球チームに野球観戦の機会を提供しています。
支援先は、アジア太平洋こども会議・イン福岡、交通遺児育英会、あしなが育英会、メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン、日本盲導犬協会、東日本大震災復興支援、国境なき医師団など多岐にわたり、国内外の様々な社会課題に対して長期継続的な支援を行っています。
11. 成功事例・体験談
アシュランの成功事例は主に製品力の高さと継続的な利用による美容効果の実現に集約されます。30年以上にわたる事業継続の中で、多くの会員が肌質改善や美容面での満足を得ており、特に自然派スキンケアへのこだわりが高い評価を受けています。
ビジネス面では、シンプルで理解しやすい報酬プランにより、着実な収入獲得を実現している会員も存在。成功要因として「継続的な商品使用」「適切な商品知識の習得」「誠実な紹介活動」が挙げられており、短期的な利益追求よりも長期的な関係構築を重視する姿勢が成功につながっています。
また、充実した研修制度により美容の専門知識を身につけ、それを活かした美容関連の副業や独立開業に成功した事例も報告されています。
会社の多角化戦略により、化粧品事業以外の分野(ホテル・レストラン・スパ・美術館)での雇用創出や地域経済への貢献も、広義の成功事例として評価されています。
12. 業界内での評判や受賞歴
アシュランは日本のネットワークビジネス業界において「製品力の高さ」と「誠実な経営姿勢」で高い評価を得ています。創立30年以上の長期安定経営は業界内でも際立った実績であり、多くの企業が短期間で撤退する中での継続性は高く評価されています。
売上高182億円(令和3年度)という業績は業界上位ランクに位置し、安定した市場地位を確立。化粧品製造業界においても自社工場での一貫生産体制と厳格な品質管理により信頼性を獲得しています。
公益財団法人アシュラン国際奨学財団を通じた社会貢献活動は、CSR活動の模範例として注目されており、特に国際教育支援分野での継続的な取り組みが評価されています。
ただし、ネットワークビジネス特有の課題(勧誘方法、価格設定等)に関する一部批判的な意見も存在し、業界全体の課題として認識されています。総合的には、業界内では老舗企業として一定の地位と信頼を確立していると評価されています。
13. 今後の展望・計画
アシュランの今後の展望は、既存事業の強化と新規事業領域への展開を両軸とした成長戦略に基づいています。化粧品事業においては、自然派・オーガニック志向の高まりに対応した製品開発の強化と、国内外での市場拡大を計画。
既に台湾・タイに展開している海外事業のさらなる拡大により、アジア市場での地位向上を目指しています。多角化事業では、ホテル・レストラン・スパ事業の統合的運営によるシナジー効果の最大化と、美術館事業を通じた文化貢献活動の拡充を予定。
デジタル化への対応として、オンライン研修システムの強化やデジタルマーケティング手法の導入により、新世代の会員獲得と既存会員のサポート向上を図る計画です。
社会貢献活動では、アシュラン国際奨学財団を通じた教育支援のさらなる拡大と、SDGs(持続可能な開発目標)に沿った環境配慮型事業の推進を検討。長期的には総合的なライフスタイル企業として、美容・健康・教育・文化の各分野で社会価値創造を実現することを目標としています。