フォーデイズ株式会社(FORDAYS)は、健康食品および化粧品の開発・販売を手掛ける日本の企業です。1997年4月に創業者の和田佳子氏によって設立され、本社は東京都中央区日本橋に置かれています。
資本金は4,500万円、社員数は約250名(臨時含む)で、2024年3月期の年商は319億円に上ります。事業の柱は核酸を活用した健康食品で、「核酸のリーディングカンパニー」を掲げてスタートし、現在は「核酸のパイオニア」として研究開発を続けています。
社名「FORDAYS」には「一日いち日を幸せに積み重ねてほしい」という想いが込められており、企業ミッションとして「障がい者・高齢者・女性の自立支援」を掲げているのも特徴です。代表の和田佳子氏自身、明治大学でMBAを取得するなど経営手腕に定評があり、女性起業家として会社を率いています。
事業内容とビジネスモデルの詳細
フォーデイズはネットワークビジネス(マルチレベルマーケティング=MLM)の手法で製品を販売しています。同社の販売形態は特定商取引法で定義される「連鎖販売取引」に該当し、いわゆるマルチ商法の仕組みを採用しています。一般的な小売店での販売は行わず、会員(販売員)が愛用者でもある独自の流通網を構築しています。
会員は紹介者(既存会員)の推薦によって登録し、フォーデイズから直接製品を購入します。製品は定期購入(オートシップ)の形で毎月届き、会員自身が一定の購入を継続することでビジネスに参加する仕組みです。
新規会員は登録時に5つのコース(A・B・F・G・I)のいずれかを選択し、初回に2ヶ月分の製品をまとめて購入する必要があります。このコース選択により毎月受け取る製品量が決まり、例えばAコースは核酸ドリンク1本を毎月受け取るコース(初回19,900円)で、Bコースは毎月2本受け取るコース(初回39,800円)といった具合です。
F・G・I各コースではサプリや化粧品など多彩な製品を組み合わせて定期購入でき、例えばGコースでは毎月6品相当の商品を受け取る設定になっています。このようにコースによって毎月の購入量と費用が異なり、コースが上位になるほど受け取れる製品数が多く、将来的に受け取れる報酬の範囲(ボーナス適用範囲)も拡大します。
フォーデイズのビジネスモデルでは、会員自身が愛用者となりつつ商品を広める口コミマーケティングが核となっています。会員は自身の愛用体験をもとに友人・知人に製品を紹介し、新たな会員を増やすことでネットワークを構築します。紹介した相手が製品を購入すると、自身にも報酬が発生する仕組みで、これが多段階に連鎖していくのが特徴です。
フォーデイズでは会員同士の助け合いやチームワークも重視されており、成功した会員が新人をサポートする文化があります。後述するように「トレーナー」と呼ばれる上位会員による指導体制も整えられており、組織全体で新規会員の育成と販促活動を支援しています。こうしたネットワークビジネスモデルにより、フォーデイズは全国各地に会員組織を広げ、大規模な流通網を築いています。
取扱商品・サービスのラインナップ
フォーデイズの商品ラインナップは健康食品と化粧品が中心で、核酸を配合したサプリメント類が看板商品です。最も有名な製品は、創業初期からの主力である核酸ドリンク「ナチュラル DN コラーゲン」で、サケ白子由来のDNA・RNAを独自技術で水溶化して配合した栄養ドリンクです。
1999年12月に発売されて以来改良を重ね、核酸成分量の増量や特許取得も行われています。2018年にはこのナチュラルDNコラーゲンが「日本で一番売れているサプリメント」になったとの調査結果もあり(2016年度の販売高データに基づく)、核酸カテゴリーでは国内シェアの80%以上を占めるとされています。
健康食品はこの他にも、BCAA&グルタミンのサプリメント、きのこ由来成分を用いた健康食品(メシマコブを使った「メシマファゴス」など)、機能性表示食品(エイジングケア成分配合のもの等)などバリエーション豊かです。
また、美容関連製品にも力を入れており、「ムーサ(Mousa)」ブランドの基礎化粧品シリーズ(美容液「LU・セラム tia」、エッセンス「ステム」等)や、ヘアケア・ボディケア用品、男性向けスキンケアラインまで展開しています。さらには健康関連グッズとして着圧タイツ「テパップタイツ」や、ペット用サプリメント、健康器機なども扱っており、総アイテム数は約70点以上に及びます。この幅広い商品展開により、健康維持から美容までトータルにサポートできるラインナップを揃えているのが特徴です。
製品開発においてフォーデイズは品質と安全性に注力しており、製品の毒性検査や臨床試験は外部の専門機関に委託して厳格に実施しています。自社でも2009年に静岡に「品質管理センター」を設立し、2017年には岐阜県に核酸ドリンク専用の自社工場を構え、開発・製造・品質管理の内製化を進めました。
これにより原料調達から製造まで一貫した品質保証体制を構築し、「安全で高品質な製品づくり」に努めています。また学術機関との協力も積極的で、東京大学との共同研究(2008年)や昭和大学への寄附講座開設など、科学的エビデンスの蓄積にも取り組んできました。こうした努力が製品の信頼性につながり、核酸ドリンクの長年にわたるヒットや多くの愛用者の支持を得る原動力となっています。
報酬プラン・システムの説明
フォーデイズの報酬プランはユニレベル方式(一列型)を基本としており、独自の5種類のボーナスで構成されています。具体的なボーナス体系は以下の通りです。
1. ラインボーナス:自分が紹介した会員(1次ライン)およびその下の組織(複数次ライン)の製品購入に対して支払われる歩合ボーナスです。例えばAコースやFコースの会員の場合、直接紹介の1次ライン購入額に対し15%、2次~5次ラインに各5%が支払われます。一方Bコース・Gコースでは8次ラインまで各5%とより深い階層まで受け取れるなど、選択コースによって適用範囲が異なります。Iコースは比較的小規模なプランで、3次ラインまで報酬対象(1次15%、2次~3次各5%)となります。
2. スタートボーナス:新規会員を直接紹介した際に一時的に受け取れる紹介ボーナスです。1名紹介ごとに定額の報酬が支給され、ビジネス開始時の活動インセンティブとなります。
3. トレーナーボーナス:自分の直接紹介者(スポンサー)を支援することで得られるリーダー育成ボーナスです。フォーデイズでは後述の「トレーナー資格」を取得した会員が新規勧誘やグループ育成を行う仕組みになっており、そうした上位会員のサポート活動にも報いるための報酬制度が設けられています。
4. ディレクターボーナス:一定の条件を満たし「ディレクター」という資格ランクを取得した会員に与えられる追加ボーナスで、Bコース・Gコース登録者のみ対象です。ディレクターになると自身の組織5次ラインの歩合率が10%に増えるほか、9次・10次ラインに各2%加算、直紹介者グループの5次ラインボーナスの80%相当額が得られるなど、リーダーとしての組織規模拡大を反映した報酬が支払われます。またディレクター継続者には年次会議への参加資格や販促ボーナスも用意され、上位者への待遇が手厚くなっています。
5. タイトルボーナス:ディレクターよりさらに上位のタイトル(称号)を達成した会員に支払われる歩合報酬で、こちらもBコース・Gコースの会員のみ対象です。例えば「ラインリーダー」達成でグループ売上の7%(同格の部下がいれば補填3%)、「スターディレクター」で13%(同格補填2%ずつ)、「トリプルスターディレクター」では24%(同格補填計5%)といった具合に、組織の大きさとバランスに応じた歩合率が設定されています。このタイトルボーナスはフォーデイズで最も高位の成功者層に与えられる報酬であり、大規模なネットワークを築いたリーダーほど高収入を得られる設計になっています。
以上の5種類のボーナスすべてを受け取るためには、自身が毎月所定の製品購入(特定負担)を継続していることが前提条件です。特に3ヶ月目以降は毎月18日~翌月17日の間に自分のコース分の定期購入がないと報酬資格を失うため、ビジネスに取り組む会員は自ら製品を使い続けることが求められます。
これは安定した消費者=販売員というネットワークビジネスの特性上、商品愛用がビジネスの土台になるという考えによるものです。
またフォーデイズには「プレ・トレーナー」や「スタート・トレーナー」といった資格制度があり、勧誘活動を行うには所定の研修とテストに合格してスポンサーライセンス(勧誘資格)を取得する必要があります。新規会員はまず既存会員の紹介で登録し、自分自身が一定数の直接紹介者を持つなどの条件を満たすとプレ・トレーナー(Pトレーナー)に昇格できます。
その後さらにステップを進めスタート・トレーナーとなることで、本格的に紹介者として活動できるようになります。このように段階的な資格制度とライセンス制を敷くことで、ビジネス参加者に必要な知識や倫理観を身に付けさせ、無理のない範囲で組織を拡大していける仕組みを整えています。
実際、フォーデイズで成功するには製品知識の習得と地道なネットワーク拡大が欠かせず、半年や一年で一気に高額収入を得るというよりは、継続的な努力で数年かけ組織を育て上げるケースが多いようです。報酬プラン上も長期的な組織維持・成長を促す設計となっており、コツコツと会員や愛用者を増やしていくことが成功のカギとなっています。
会社の沿革・歴史
1997年4月、和田佳子氏がフォーデイズ株式会社を創業。当初は日本国内での健康飲料販売からスタートし、1999年12月に核酸ドリンク「ナチュラル DN コラーゲン」発売。この製品がヒット商品となり、以降フォーデイズは核酸栄養を軸とした事業を拡大していきます。
2002年には福岡と東京に直営サロンを開設し、その後も名古屋・広島・大阪・札幌・仙台など全国主要都市に営業拠点(サロン)を展開していきました。サロンは会員が集える場として機能し、各地でネットワークを広げる基盤となりました。
2007年1月にはナチュラルDNコラーゲンの製法特許(第3899436号)を取得し、技術面での優位性を確立。同年より「シナプスカフェ」と称するコミュニティスペースを地方に開設(鹿児島・香川・福島など)し、会員同士や顧客との交流を深める場づくりも行っています。
2008年には昭和大学に核酸栄養の寄附講座を設け、東京大学との共同研究も開始するなど産学連携によるエビデンス強化に踏み出しました。また同年11月にはネパールでの自立支援NPO(後述)を設立し、社会貢献活動も本格化させています。2009年には静岡に品質管理センターを開き、2010年代に入ると新商品の投入(美容液「ムーサLU・セラム」発売など)や海外市場への布石も進めました。
海外展開としては、2010年に中国・上海に現地法人を設立したほか、その後台湾・香港・韓国でも事業を開始しています。特に台湾では現地法人「台湾フォーデイズ」を通じてネットワークビジネスを展開し、後述のように優良企業賞を受賞するなど実績を上げています。
2017年には創業20周年を迎え、それを前に核酸ドリンク専用の岐阜工場(ナチュラルDNコラーゲン岐阜工場)を新設し、製造体制を強化しました。しかし同年11月、特定商取引法違反(不実な告知を行った疑い)により消費者庁から6ヶ月間の一部業務停止命令を受ける事態となります。
この行政処分により新規会員募集等を半年間自粛し、コンプライアンスの見直しを迫られました。翌2018年5月に業務停止期間が明けると、新規契約の受付再開を公表し、これを機に徹底した再発防止策(後述)を導入して営業を再開しました。
処分からの再スタート後、フォーデイズはさらなる成長戦略を描きます。アジア市場への本格進出として、フィリピンとベトナムへの事業展開を計画・実行しました。フィリピンでは2018年、同国の国民的英雄であるマニー・パッキャオ上院議員(元プロボクサー)と合弁契約を締結し、現地法人「Fordays Japan International Inc.」を設立。
パッキャオ氏自身がフォーデイズ製品の愛飲者となり株主に名乗り出た経緯もあり、話題を集めました。2018年後半にフィリピンでのMLM事業を開始し、ベトナムでも現地サイト開設など展開を進めています。こうした国際展開により、現在フォーデイズは日本国内に加え台湾、香港、韓国、フィリピン、ベトナムと事業エリアを拡大しつつあります。
2022年には創業25周年を迎え、累計売上も堅調に推移。長い歴史の中で培った核酸事業のノウハウとネットワークを活かし、新たな市場での地盤づくりに取り組んでいます。
市場での位置づけ・業績
フォーデイズは日本のネットワークビジネス業界において有数の規模を誇る企業です。近年の売上高は300億円を超え、2023年3月期で316億円、2024年3月期には319億円の年商を計上しています。この水準は国内の訪問販売・MLM企業の中でも上位に位置し、業界トップクラスといえる規模です。
実際、フォーデイズは「日本で3番目に大きなMLM企業」と紹介されることもあり(※英字サイトでの言及)、「業界最上位の座を狙う」と和田社長自ら表明するなど、リーダー企業としての自負を持っています。2017年にパシフィコ横浜で開催された第17回全国大会には約4,000名もの会員が集結し、さらなる成長を誓い合ったと報じられました。
この大会で和田社長は法令順守の強化と業界トップ奪取を掲げたとされ、業界内で存在感を増すフォーデイズの勢いが窺えます。
製品面で見ると、核酸ドリンク「ナチュラルDNコラーゲン」は前述の通り国内サプリメント市場でトップクラスの販売実績を持ちます。健康志向の高まりや中高年層のアンチエイジング需要を捉え、安定した売れ行きを示しています。
フォーデイズは核酸という独自素材に特化した戦略で差別化に成功し、市場シェアの大半を押さえるまでに至りました。さらに核酸以外のサプリや化粧品分野でも、会員の口コミ力を背景に一定の市場浸透を果たしています。化粧品業界紙の報道によれば、コロナ禍前の2019年時点で会員数約38万人規模との推計もあり(※参考資料より)、全国に広がる大規模な愛用者ネットワークが業績を支えています。公式には非公開ながら会員数数十万人規模と推測され、売上・会員数ともに国内有数のネットワークビジネス企業としての地位を確立しています。
業績の推移は概ね堅調で、毎年安定した売上を維持しています。ただしネットワークビジネス業界全体では外部環境の変化もあり、フォーデイズも一時期成長が鈍化した時期がありました。2017年末の行政処分による営業停止期間中は新規契約ができなかった影響で一時的に停滞しましたが、その後の反動もあって2018年度以降は回復基調にあります。
近年は健康志向の追い風や海外売上の寄与もあり、売上高は微増傾向を見せています。こうした中で、フォーデイズはマーケットリーダーとしてコンプライアンス重視と持続的成長の両立を図りながら、安定的な業績の確保に努めている状況です。
フォーデイズの特徴や強み
フォーデイズの最大の特徴は、「核酸」という独自素材に特化した専門性と、それを支える長年の研究開発力にあります。他社にはない核酸サプリメントを主力商品とすることで、「核酸といえばフォーデイズ」というブランドイメージを築いてきました。
実際、核酸ドリンク市場では圧倒的なシェア(80%以上)を占めるリーディングカンパニーであり、競合他社が少ないブルーオーシャン戦略で成功を収めています。製法特許の取得や大学との共同研究によるエビデンス蓄積など、製品の裏付けとなる科学的根拠を大切にしている点も強みです。これによりネットワークビジネスにありがちな「中身のない高額商品」といった批判をかわし、製品力で勝負できていることが、フォーデイズの信頼性向上につながっています。
また、会員組織の団結力と現場力もフォーデイズならではの強みです。創業当初から女性会員の活躍が目立ち、現在も幅広い年齢層の女性が中心となってビジネスを牽引しています。女性リーダーたちは各地で精力的にスキンケア体験会や健康セミナーを開催し、多くの製品愛用者を生み出しています。
こうした草の根の活動が販売網を拡大し、リアルな口コミ力でブランドを浸透させているのです。また最近では若い男性会員の力にも注目し、男性メンバーが女性にメイクを施す「ビューティークルー」というユニークなプロジェクトも発足しました。男性の視点で提案する新しいメイクアップサービスが女性会員に好評で、従来にない交流が生まれているとのことです。このように革新的なマーケティング施策を取り入れる柔軟性もフォーデイズの強みであり、従来のネットワークビジネスの枠にとらわれない発想で組織活性化を図っています。
さらに、創業者リーダーシップの一貫性も見逃せません。和田佳子社長は創業以来ずっとトップを務め、製品開発から会員支援、社会貢献まで陣頭指揮を執ってきました。自ら全国を飛び回り会員と交流する姿勢や、トップメンバー会議で現状報告と今後の方針を直接語るなど、現場主義の経営が社内外の信頼を得ています。
和田氏のカリスマ性とビジョンが組織をまとめ上げ、「人生に健康と安心、そして輝きを創造する」という企業理念のもと、一丸となって邁進できる風土があることも会社の強みと言えるでしょう。実際、2019年のトップメンバー会議では「ディレクターを増やすことが最優先課題」と述べ、現場と経営陣が一体となって具体的な目標達成に動く体制が伺えます。こうした一致団結した企業文化と、商品・ビジネスモデル両面での独自性が、フォーデイズの競争優位を支えています。
会員・販売員への支援体制
フォーデイズでは、ビジネスに参加する会員への教育・サポート体制が充実しています。まず、入会時にはスポンサー(紹介者)から製品やビジネスの基本説明を受けることになりますが、その際に用いる概要書面や登録申請書などの書類も整備されており、統一された情報提供が行われます。
さらに、前述の通り勧誘活動には「スポンサーライセンス」が必要で、その取得にはコンプライアンス講習の受講とテスト合格が求められます。この講習では法令遵守や倫理的な勧誘方法が教育され、合格者のみが新規紹介を許可される仕組みです。
加えて、会員にはコンプライアンススコアが付与されており、違反行為が確認された場合は減点と相応の処分が科される制度も導入されました。これらは2018年以降に強化された取り組みで、会員一人ひとりが正しい知識を持って活動できるよう支援・監督する体制が整えられています。
販売面でのサポートとしては、全国各地のフォーデイズサロンやステーションと呼ばれる拠点が活用されています。主要都市のサロンでは製品の展示・説明が受けられるほか、会員向けの勉強会や説明会、イベントも開催されます。
例えば「シナプスカフェ」や「フォーデイズスタジオ」といった施設では、カジュアルな雰囲気で交流しながら製品情報を学べる場となっており、新人会員が先輩会員からアドバイスを受けたり、ゲストを招いて体験してもらったりすることができます。また、年に一度の全国大会や地域別の表彰式・研修会など、大規模イベントも開催されています。2017年の全国大会では和田社長自らが参加者に方針を訴え、4,000名の会員が結束を新たにした様子が報じられています。こうしたイベントはトップ会員の体験共有や士気向上の場でもあり、成功事例やノウハウを学ぶ貴重な機会となっています。
製品知識の習得支援にも力を入れており、学術セミナーや製品勉強会が定期的に行われています。フォーデイズは核酸栄養に関する専門知識を深めてもらうため、専門家を招いたセミナーや研修ビデオを提供し、会員が自信を持って製品を薦められるよう教育しています。
また美容系製品については体験会キットやデモンストレーション研修なども用意され、特に女性会員が使いこなせるよう細やかなサポートがあります。先述のビューティークループロジェクトにおいても、参加する男性会員に対しメイク研修を実施するなど、新しい試みに対しても研修体制を整備しています。
さらに、フォーデイズ本社の営業担当社員が各地の会員組織をフォローする体制も取られています。営業社員がディレクター候補の会員とともに説明会を開いたり、グループ運営の相談に乗ったりすることで、フィールドと企業とが二人三脚でネットワーク構築に取り組んでいます。常務による営業報告でも「候補者を我々営業が協力して応援したい」と述べられており、会社ぐるみで会員の成功を支援する姿勢が示されています。こうした包括的なサポート体制のおかげで、初心者でも基礎から学びながらビジネスを進めることができ、長期的な活動の中で着実にスキルアップしていける環境が整っています。
法令遵守への姿勢・コンプライアンス体制
ネットワークビジネス業界では法令遵守が重要課題ですが、フォーデイズはコンプライアンスの徹底に注力しています。同社は業界団体である公益社団法人日本訪問販売協会や全国直販流通協会に加盟し、業界倫理綱領に則った営業を行うことを表明しています。
また公益社団法人消費者関連専門家会議(ACAP)の会員でもあり、消費者保護の観点からも適正な事業運営を心掛けています。公式サイトには特定商取引法に基づく表示ページを設け、事業者情報や契約に関する注意事項、クーリングオフ手続きなどを開示し、情報開示姿勢も明確です。さらに消費者向けの相談窓口「消費者相談ダイヤル」を設置して苦情・問い合わせ対応に当たるなど、トラブル未然防止と迅速な対応体制を敷いています。
とはいえ、過去にはコンプライアンス上の問題も起きました。2017年11月、消費者庁から特定商取引法違反(不実告知)による6ヶ月間の業務停止命令を受けたことは前述の通りです。この処分理由は、勧誘時に事実と異なる説明を行ったり重要事項の告知を怠ったりしたケースがあったためとされています。
当時のネットワークビジネス業界では高齢者への過剰勧誘など社会問題化していた面もあり、フォーデイズも一部会員の不適切な勧誘が問題視されました。この行政処分をフォーデイズは重く受け止め、徹底的な再発防止策を講じています。具体的には、先述のスポンサーライセンス制度・コンプライアンス講習の導入、75歳以上の高齢者登録時に家族署名と本人電話確認を義務付け、勧誘・契約関連書面(概要書面や申込書等)の刷新、そして社外有識者からなるコンプライアンス監視委員会と社内コンプライアンス部の設置による監視強化など、多角的な強化策を実行しました。
これらの取り組みは消費者庁にも報告・確認され、処分期間終了後の2018年5月より営業を再開しています。同社は「今回の処分を教訓とし、新たなコンプライアンス体制の下で再発防止に努める」と表明しており、以降は法令遵守の徹底を最重要課題に掲げています。
現在では、コンプライアンス遵守はフォーデイズの企業文化の一部となっています。例えば会員向けのイベントでも、製品説明やビジネス紹介において誤解を招く表現を避けるガイドラインが徹底され、健康食品である以上「治療効果がある」などの過大な表現は禁止されています。
また違反があればスコア減点から最悪除名処分まで科されるため、会員間でも自主的に健全な活動を心掛ける風土が醸成されています。2021年には和田社長が「法令遵守強化」を改めて訴え、「絶対に裏切らない企業であるために努力する」とのメッセージを発信しています。さらに、業界団体と連携した消費者被害未然防止キャンペーンへの参加や、コンプライアンス研修用の動画・テキストの配布など、業界の模範となるべく積極的な姿勢を示しています。フォーデイズは過去の反省を踏まえ、透明性と誠実さを重視したビジネス運営を行うことで、ネットワークビジネスに対する一般の不安や疑念を払拭しようと努めているのです。
社会貢献活動・CSR
フォーデイズは「CSV(共有価値の創造)」を経営理念に掲げ、事業活動と社会的課題の解決を両立させるCSRを推進しています。具体的な社会貢献活動は多岐にわたり、創業当初から力を入れてきたのが女性の自立支援です。多数の女性会員の協力で事業を展開してきた背景から、女性の活躍機会を守り笑顔を輝かせる取り組みに注力しています。
その一環として女性アスリートへのスポンサー支援を行っており、例えば女性レーシングドライバーの野田樹潤(Juju)選手や女子レスリング日本代表、女子ハンドボールチーム「三重バイオレットアイリス」などへのスポンサー活動を継続しています。また「フォーデイズ杯 全日本女子オープンレスリング選手権大会」を開催支援するなど、女性スポーツ振興にも貢献しています。
国際的な社会貢献として注目されるのが、ネパールでの自立支援活動です。2008年11月、ネパール政府観光局の支援を得て現地に特定非営利活動法人「ネパール・シナプス自立支援協会」を発足し、農村地域の生活向上を支援しています。2009年3月にはワークトレーニングセンターを設立して母親たちへのミシン技術指導を開始、2011年12月には現地にフォーデイズレストランを開設し、伝統工芸品の販売もできる拠点を整備しました。
その後、現地住民主体の自立支援協会へ事業移管し、フォーデイズは資金やノウハウ提供でサポートを継続しています。この活動は、経済的に困難な地域に仕事と収入の場を生み出し、コミュニティの自立を後押しするものとして評価されています。
国内では、東日本大震災(2011年)の被災地支援にいち早く取り組みました。産経新聞社を通じてフォーデイズおよび会員から集めた義援金3億1495万余円を寄付するとともに、「心をつなごう日本“東北復興祭”」や「いわて三陸鎮魂復興祭」への協賛など、復興イベントを支援しました。
以降も、熊本地震(2016年)や西日本豪雨(2018年)など大規模災害の際には義援金寄付や復興支援活動を行っています。また障がい者の自立支援として、2014年から日本の障害者施設(横浜の社会福祉法人幸会タキオン)や台湾の障害者福祉団体(伊甸基金会)への支援を開始し、継続的にサポートしています。伝統文化の保護にも関心を寄せ、「世界遺産企画」(産経新聞社の文化事業)に特別協賛したり、杜氏の技術継承支援のため酒蔵再生プロジェクトを立ち上げたりと、日本文化の継承にも貢献しています。
さらにユニークなのは、「安らぎ呼吸プロジェクト」というNPO活動です。2010年に設立されたこのプロジェクトでは、深呼吸やリラクゼーションを通じて子ども達の健やかな成長を支援することを目的に活動しています。ストレス社会の中で心身の健康を守る啓発活動として評価され、現在も教育現場などで役立てられています。
加えて、コロナ禍においては台湾フォーデイズが現地の病院や地下鉄に感染防止ゲート(消毒設備)を寄贈し、地域の感染症対策に寄与しました。台湾の伝統文化保存のため地方団体への寄付も行っているとのことで、海外拠点でも現地社会に根差したCSRを展開しています。これら多彩な社会貢献活動は、「人が活きる環境づくりが基本であり、未来への投資」と捉えられており、フォーデイズが単にビジネス利益を追求するのでなく社会と共生する企業であろうとしている証と言えるでしょう。
成功事例・体験談
フォーデイズでは多くの会員がビジネスに挑戦し、自らの努力で成功を収めています。その中には主婦からネットワークビジネスを始め、家計の支え以上の収入を得るまでになった例や、定年退職後に健康商品の普及を志して活動し生きがいと収入を両立させているシニア会員の例など、様々なストーリーがあります。
公式の場でも成功者の体験談が共有されており、たとえば2019年のトップメンバー会議では、兵庫県のある女性会員が8年かけて「トリプルスターディレクター」という最高峰のタイトルに昇格し、そのスポンサーが「共に努力してきた仲間がついに大きな目標を達成し感動した」と語るエピソードが紹介されました。この女性は長年にわたり地道にグループづくりを継続し、最後の1週間で組織全員が底力を発揮してタイトル達成に至ったとのことで、一人ではなくチーム一丸の努力が成功を導いた好例といえます。
また、埼玉県の男性会員のケースでは、知人からフォーデイズの話を19年前に聞いていたものの当初は参加せず、4年前に和田社長と直接会う機会を得てビジネスシステムの素晴らしさに触れ「仕事として取り組む覚悟を決めた」と語られました。その方は親族からフォーデイズ事業を引き継ぐ形で本格参入し、新たにトップメンバーの一員として活躍されています。このように途中参加でも情熱次第で上位に食い込めるチャンスがある点もネットワークビジネスの魅力であり、フォーデイズにおいても後発組が追い上げる成功談が存在します。
他にも、地方在住の会員が地元でコツコツと愛用者を増やし、組織規模400人超のグループリーダーになった事例や、子育て中の専業主婦が限られた時間の中でインターネットも駆使しながら効率的に集客して月収30万円を達成した事例などが知られています。高齢の方では、70歳からスタートして健康食品の良さを同世代に伝え歩き、自身も元気になりながら仲間と充実した老後を送っているといった生涯現役の体験談も報告されています。
このような成功事例に共通するのは、「製品を愛し、その価値を伝えることに情熱を持つ」という姿勢です。フォーデイズのトップ会員の発言にも「私自身、家族ぐるみで核酸ドリンクを飲み続け、その良さを確信しているからこそ自信を持って勧められる」という声があり、まず自分がユーザーとして製品に惚れ込むことが信頼を得る秘訣であるとされています。成功者たちは決して楽に儲けたわけではなく、日々人と向き合い、地道な活動を積み重ねて結果を出しています。フォーデイズはそうした努力型の成功者を数多く輩出しており、新規参入者にとっても現実的で参考になるロールモデルが身近に存在する環境と言えるでしょう。
業界内での評判や受賞歴
フォーデイズは業界内外で一定の評価と評判を得ています。まず、製品力の高さについてはユーザーからの口コミ評価が高く、美容系口コミサイト「@cosme」でも核酸ドリンクが高評価を受けています。長年飲み続けて「体が元気で動ける」「味も飲みやすいので習慣にできる」といった愛用者の声も寄せられており、根強いファン層が存在します。
一方ビジネス面では、ネット上に様々な口コミが見られますが、「製品は良いがビジネス勧誘がしつこい」という否定的意見と「真摯に伝えれば成果が出る健全なビジネス」という肯定的意見が混在しています。過去の一部会員の行き過ぎた勧誘に対する批判も一部ありますが、近年のコンプライアンス強化後は評判も改善傾向にあり、「フォーデイズは対応が真面目で信頼できる」という声も増えています。業界専門誌『訪販ジャーナル』では、法令順守を強化した姿勢が紹介されるなど、業界内での模範企業としての期待も寄せられています。
受賞歴に関しては、国内よりむしろ海外での評価が目立ちます。台湾フォーデイズは2021年に同国で「優良外資系企業賞」と「優良経営者賞」を受賞しており、これは台湾に進出した日系ネットワークビジネス企業として初の快挙でした。授賞式では台湾の蔡英文総統から記念品が授与され、現地ニュースでも報じられたほどです。
この背景には、台湾法人社長の尽力と、コロナ禍での医療支援や文化支援などフォーデイズの社会貢献が評価されたことがあります。また国内では、前述のスポーツ支援の縁から全日本女子レスリング連盟より感謝状を受けたり、障がい者アートの祭典「アートパラ深川」で企業賞(フォーデイズ賞)を設立したりと、コミュニティへの貢献が表彰・顕彰される場面があります。さらに、経営者個人としては和田佳子社長が母校明治大学から講演依頼を受けたり、業界団体から表彰を受けた経歴もあります。
業界内の評判としては、フォーデイズは「核酸ドリンクのフォーデイズ」として確固たるブランドを築いているとの評価が一般的です。同種の健康飲料を扱う企業は少なく、ニッチトップとしてその地位は揺るがないと見られています。また「女性が活躍する会社」というイメージも強く、女性ネットワーカーの間で評判が良いようです。
他方、2017年の行政処分の件では業界内からも驚きの声が上がりましたが、その後のフォーデイズの対応は迅速かつ誠実で、「きちんと立て直した会社」として信頼を取り戻しています。総じて、フォーデイズは製品品質と組織力で高い評価を得つつも、一度の躓きを乗り越えて信頼回復を果たした企業との評判が定着しつつあります。これらの受賞歴や評価は、今後同社がさらに社会的信用を高める上で強みとなるでしょう。
今後の展望・計画
最後に、フォーデイズの今後の展望について見てみましょう。同社は引き続きアジア圏での市場拡大に注力するとみられます。既に進出済みの台湾・香港・韓国に加え、立ち上げたばかりのフィリピンやベトナムでの事業を軌道に乗せることが当面の課題です。
特にフィリピンではマニー・パッキャオ氏という強力なパートナーを得ており、現地での認知度向上や会員網構築が期待されています。今後数年で東南アジアにおける一定の地盤固めができれば、さらに他のアジア諸国への展開も視野に入るでしょう。例えば東アジアや東南アジアで健康志向が高まる国々(タイ、マレーシア、インドネシアなど)は潜在市場として有望であり、フォーデイズの核酸サプリがどこまで受け入れられるか注目されます。
製品戦略の面では、核酸関連製品のさらなる強化と新ジャンル開拓が予想されます。核酸ドリンクは長年の主力ですが、技術革新や新素材の研究により、より効果実感の高い次世代核酸サプリの開発も考えられます。また機能性表示食品のラインナップ拡充や、昨今ニーズが高い免疫ケア商品、腸内環境改善商品などへの展開も可能性があります。
実際、2023年には薬用入浴剤「薬湯 生薬仙」の発売など新分野にも取り組んでおり、今後もヘルスケア領域全般で商品開発が進むでしょう。さらにデジタル技術の活用にも注目です。コロナ禍でオンラインでの説明会やSNSを使った情報発信が進んだように、デジタルマーケティングを駆使した若年層取り込みも戦略に入ってくるはずです。公式YouTubeチャンネルやSNSでの情報発信強化は既に始まっており、今後はネット経由での顧客獲得やリモートでの研修システムなども高度化していくと考えられます。
また、コンプライアンスとCSRの両立によるブランド価値向上も引き続きのテーマです。フォーデイズは一度経験した行政処分を二度と繰り返さぬよう、業界トップ水準のコンプライアンス体制を維持するとしています。その姿勢を貫くことで、ネットワークビジネスに対する社会の見方を少しでもポジティブなものに変えていく役割を果たすでしょう。
同時に、女性活躍や社会貢献といった活動も継続し、企業イメージ向上に努めるとみられます。特にCSV経営を標榜するフォーデイズにとって、「事業成長=社会的価値の創出」という好循環を実現することが理想です。ネパールや台湾でのCSR成功例を踏まえ、今後は国内でも地域社会と連携した健康啓発イベントや、産学官協働による高齢者支援プロジェクトなど、新たな取り組みが期待されます。
総じて、フォーデイズ株式会社は核酸ビジネスのパイオニアとして培った強みを活かしつつ、時代の変化に対応した進化を遂げようとしています。堅実な事業基盤とネットワークを武器に、今後も国内外で存在感を高めていくでしょう。ただしネットワークビジネスという業態ゆえの世間の目も厳しく、引き続き節度ある宣伝と消費者本位の活動が求められます。
ビジネス参入を検討する方は、同社の製品力・組織力・価値観を総合的に理解した上で、ぜひバランスの取れた視点から判断いただければと思います。フォーデイズの今後の展開が、ネットワークビジネス業界全体の健全化とイメージ刷新につながっていくことを期待したいです。